先日、山口県の萩市へ観光に行ってきました。
歴史好きの方ならご存知だと思いますが、吉田松陰など明治維新の立役者が数多く排出された場所です。
来年には吉田松陰の妹を主役にしたNHKの大河ドラマの舞台にもなります。

現地はさぞかし観光客で賑わっているだろうと思っていたのですが…
あまりの寂しさに肩透かしを食らってしまいました。

街は古い建物が多く残り、有名な松下村塾や志士たちの生家などもあり、見どころはたっぷりあります。
歴史好きにはたまらない魅力に溢れています。

しかし、想像よりも観光客が少なく感じる。なぜでしょう?

街には毛利家の居城であった萩城もあります。
ところが、そこにはそびえ立っているはずの天守閣がなく、石垣だけが残り、萩城ではなく萩城跡なのです。
実は今、お城ブームです。城好きには石垣だけが残る城跡にもロマンを感じることができます。
しかし、多くの人には城=天守閣なのです。
建築当時から天守閣の目的は防御施設であると同時に、内外に権力をアピールする広告塔でもありました。
400年以上たった今でも天守閣は街にとって観光客を集める解りやすい広告塔なのです。
萩市の方たちは「天守閣さえあればもっと…」と残念な気持ちでいるはずです。

ビジネスでもアピールにつながる解りやすい広告塔はとても重要です。
その広告塔を見聞きするだけで、会社のイメージや商品のイメージが相手に伝わり、印象に残るもの。
広告塔になり得る候補は、キャッチコピーやロゴマーク、キャラクターやオリジナルの商品やサービスなどになります。
これらの候補から、どれか1つでも燦然と輝く広告塔になってくれれば良いわけです。

では他社の例を上げてみましょう。

 

■旭化成株式会社 企業コピー

「昨日まで世界になかったものを。」

エレクトロニクスや繊維開発などを行う会社ですが、
一般的にイメージしにくい業務内容を
一言で表すと同時に発想力や技術力の高さを印象づけています。

 

■熊本県 イメージキャラクター

「くまモン」

強烈な印象をあたえるキャラクターですが、かわいいだけが成功の秘訣ではありません。
一般的に商標使用料がかかりますが、熊本県のPRにつながれば原則無料。

 

■小林製薬株式会社 商品名

「熱さまシート」
「のどぬ〜る」

まさに「名は体を表す」。余計な説明は必要ありません。

 

どうですか、どれも一度見れば強く印象に残ったり、特定のイメージを強く感じ取れる強力な広告塔になっています。
これらの例は企業規模も大きく、相当なコストをかけて戦略的に行なっていますが、キャッチコピーや商品名などは、専門家に依頼しなくても努力次第でお金をかけずに行えると思います。